
ここ数ヶ月歯科治療を受けている。
ご近所にある、歯医者さんで、
60がらみの、先生は、大層熱心なお方。
予約不要、平日午後9時まで、日曜日も治療をなさる。
反して、わたし、Giovanniは、
典型的なダメ患者で、
痛みさえ無くなれば、どんな治療も途中ですっぽかしてしまう。
せっせと数週間通っていたのに、
ある日、もう、いいか、と思ったら、
次の通院まで、数年ほったらかしたこともある。
先月、西表への旅行のこともあり、
実は、先生、来週1週間旅行なんです。
痛みが出ないよう、何とかお願いします、と、
またもや、お気楽患者のたわけを伝えたところ、
はいはい、と、承知していただき、
そのおかげでか、旅行中、
歯のことなんか、忘れるほどであった。
ほー、西表ですか?
いいですねぇ、珍しい魚なんかがいるんでしょうね?
と、南の島に感心がおありだったのか、
その後も、いいですねぇ、を繰り返され、
旅行後の治療でも、
ヤシ蟹なんていうのを食べましたか?だの、
イリオモテヤマネコは見ましたか?だの、
治療の前後に話をされるようになった。
診察室や、待ち合い室を見回すと、
絵画の趣味をお持ちのようで、
ご自分の名前のサインが入った絵が、数点、
掲げられている。
治療中は、
助手の女子たちにも、大きな声を荒げたり、
治療の技は、大変優れていらっしゃる、
いかにもな、歯科医師であるが、
口の中を照らす、
独特な形のライトのスイッチが切れている時は、
砕けた、ニコニコしたおじさまという感じだ。
ある日、診療椅子に座って、天井を向き、
大きく口を開けたところ、
何の脈略があったのか知らないが、突然、
Giovanni君の、そのヘアースタイルは、
いくらくらいかかるの?と、尋ねられた。
ちょうど、この時だったと思う、
旅行の前で、それまでもそこそこは短かったのを、
さらに、一気に短くした時だったので、
先生の目に止まったのだろうか?
また、数日、ご無沙汰してしまった医院の扉を開くと、
今日は誰も他の患者がいないらしく、
奥から、先生の声で、どうぞ、とすぐに呼ばれた。
こういう静かな日に、お好きなのか、診察室に流れている音楽は、
何故か、ヨーデル。
いつもの診療椅子に体を横たえ、口を開けようとしたら、
先生が、またこんなことをおっしゃった。
Giovanni君は、誰かに似てるって、言われたことありませんか?
ほら、あの演出家の・・・
(演出家と言われて、和田勉を想像してしまった!)
・・・何とか亜門、に似てるって言われませんか?
実は、これは何度か言われたことがある。
自分では似てるとは思わないけど。
そう言えばおととい髪をさらに短くしたところだった。
もっと身近な人たちだって、髪を切った事に気づかない奴もいるのに、
先生、人の髪型に敏感であられる様子。
まさに、髪の違いの分かる男。
だばだー、だーばー、だばだー、だばだー
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