金曜日, 5月 19, 2006

旅 京都編その2


今回の旅の直前、読み終わった小説がある。
宮尾登美子著の、『東福門院和子の涙』である。
これは、江戸徳川将軍家から、初めて天皇へ嫁いだ
和子、という女性を主人公とし、
その生涯を和子の側近として仕えた、
ゆき、という女性が、
和子の死後、自分の主について語るという手法で描かれた物語である。

舞台は京都御所ということもあり、また、
多くが語り言葉で書かれているという事もあって、
その小説を読んでいる最中は、ついつい御所ことばがうつり、
職場でお客様への手紙を書きながらも、
『◯◯様におかれましては、つつがのうあらしゃりますことと・・・』
などとタイピングしそうになったりした。

以前にここで、谷崎潤一郎のことを少し書いたが、
その続きとして、
わたし、Giovanniが、文章を書くにあたって少なからず影響を受けているのが、
宮尾登美子だということを、後日、書くつもりである。

宮尾作品は、文芸作品としてたいそう人気があり、
また、映画化、ドラマ化されている作品が多い。
その中でも、宮尾登美子の出世作とも言えるのが、
女性で初の文化勲章を受勲した、日本画家、上村松園の生涯を描いた、
『序の舞』である。

これもまた、京都を舞台とした作品で、
今から100年ほど前の京都の町家の暮らし、風俗、言葉などが、
生き生きと再現されている名作である。

この『序の舞』で描かれる京の町や、暮らしぶり、
そして生きた日々の言葉について、監修をしたのが、Nさん。
わたしも、親しみを込めて『おかあさん』と呼ばせていただいていた、
Nさんである。

宮尾登美子自身は、四国の生まれ育ちで、京都に住んだ事は無い。
その彼女が、物語の主人公に、京の町中を、
◯◯から××まで歩かせようとする。
すると、おかあさんは、
『そんだけの時間で、女の脚で、そないには歩けまへん』と、指摘する、
というように、物語により信憑性を持たせる役割を果たしたのである。

わたし、Giovanniと『おかあさん』の出会いは、
随分と旧い話となる。
(この話は、今回の旅の話と直接の関係が無いので、
後日、別にすることにしよう)

さて、今回の京都滞在は、数時間。
先日書いた、錦市場から、堺町通りへ抜け、
三条を通って河原町通りと交差するところのすぐ上の、
カトリック教会へ。

実は、早朝6時にバスが京都駅に到着し、
京都タワー地下の銭湯がオープンする7時までの約1時間、
わたし、Giovanniは、東本願寺へ。

東本願寺の御影堂と呼ばれる本堂は、
世界最大の木造建築物であり、今、大修復を行っている。
去年の秋の京都訪問時に引き続き、今回も靴を脱いで上がったのは、
こちら、阿弥陀堂。





















わたしの場合、仏教を信心する、ということでは勿論ないのだが、
古い歴史を持ち、信仰を集めた場所への、
一種の敬意を表すつもりで、ご本尊、阿弥陀如来様の前へ。
まだ、朝早い静けさの中で、
やはり同様の思いで訪れていると思われる、数名の男女と共に、
しばし瞑目のときを過ごした。

その数時間後、わたし、Giovanniは、
先述のカトリック教会の御堂で、ミサにあずかった。
京都に住んでいた時代に通った、懐かしい教会である。
ここにも、老若男女を問わず、
人間の英知を越えた、大きな存在に畏敬の念を表し、
また、その大きな慈愛の中に身を委ねる人々の姿が。

京都という町には、その長い歴史の中で芽生えた、
信心、信仰が、深く根付いている。

数百年という歴史の経緯の間には、
お互いの信仰を否定し合うことを発端とした、
悲しく醜い争いも、絶えることが無かったのは事実である。
また、現代の、世界の様々な地域で起きている争いの原因の多くは、
やはり、信仰の違いから来るものであると言われている。

京都は、今や日本国内にとどまらず、
世界中から、ありとあらゆる人たちが、訪れる町である。
国籍、人種、文化、そして信仰の違いなどを超え、
全ての人たちを包容する力量が、この町には十分にあると思う。

日本の、京都という町が、
世界を本当の豊かさと、平和に導くための役割を、
果たす事が出来る日がくることを、
わたし、Giovanniは、願ってやまないのである。
(つづく)

9 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

おかえりなさい〜。
楽しく読ませていただいてます。京都。いいなぁ。

今、バイトで郵便番号を調べたりすることが
多いのですが、京都の郵便番号が一番複雑。

住所もながいですよね。笑

じっくり行きたいなとか、思ってます。
鴨川の見えるカフェで好きなところがあります。
名前忘れてしまった.....。

藤五郎 さんのコメント...

お帰りなさい。
有意義な小旅行だったようですね。羨ましい限りです。

数日前からコメントを書こう書こうと思いつつ、「断念」しておりました。実は先週末から体調を崩して今週は全ての予定をキャンセルし、自宅療養の一週間だったものですから。未だ本調子ではなく歩くのもちょっとシンドイ状態なので、Giovanniさんの小旅行はホントに羨ましくて、羨ましくて…。

京都と宗教の問題にちょっと触れられてましたけど、後日このあたりについてはお話しましょう。シャーマニズム・八百万の神・言霊…いろいろ話題が豊富なところでもありますからね。

ではでは。

Giovanni さんのコメント...

ロコさん

わたし、Giovanni、
京都市下京区高倉通松原下る西入る万寿寺通り
に、住んでました。

京都の碁盤の目の町は、とても合理的で、
通りの名前さえ知っていれば、
住所聞いて、ああ、あの辺りどすな、って
地図が浮かぶ。
(万寿寺通り、のところは、
行政が付けた、いわゆる町名です)

丸竹夷ニ押御池、姉三六角蛸錦。
四綾仏高松万五条。
と、メロディーをつけて通りの名を覚える
歌がありますね。

Giovanni さんのコメント...

藤五郎さん

おやおや、体調大丈夫ですか?

京都と宗教、と言われると、若干の語弊が。
あくまでも、信心とか信仰、のお話ですので、
ご理解ください。

とにかく、お大事に。
全快をお祈りしています。

藤五郎 さんのコメント...

これはこれは失礼しました。どうもややこしいところへ話を持って行きたい性向があるようで…。

「京都と宗教」のお話はなかったことにして下さいな。

ではでは。

匿名 さんのコメント...

お帰りなさい。
やっと書き込めた★
最近本を読んでいないので、
久しぶりに何か読もうかなと思いました。
追伸;いちごごちそうさまでした♪

Giovanni さんのコメント...

みほみほさん

ようこそ!
宮尾登美子もお薦めです。

いちご、甘酸っぱくて、イチゴらしかったですね。

匿名 さんのコメント...

おぉお。
そうです。その下ルやら上ルやらが大変で。
でも生活している人にとっては、合理的で
説明のしやすい方法なのだろうなぁと思います。
同じ国なのに、おもしろいですね。

そうそう、書き込みできました。(遅い)
やっぱり本体のせいでしたね。
今後ともちょこちょこ書かせていただきます。
よろしくです。

Giovanni さんのコメント...

ロコさん

ですね、書き込み、できましたね!
ぜひ、ちょこちょこのぞいてください。
宣伝もよろしく!

そういえば、神戸に、
◯◯区××町あちら側、という地名がありました。
もち、こちら側、もあり