今から数年前、Aと偶然出会った。
それこそ、ビビビ!
目と目が合って、恋に落ちた。
最初のデートは、駅前の小さなイタリアンレストラン。
メニューは2枚。なのに、1枚は捨て置き、
1枚のメニューを間に挟み、
あぁでもない、こうでもないと。
前菜は、5種盛り合わせにしよう。
パスタが、ホワイトソース系だから、
ピッツァは、トマトソース系がいいね。
イタリアンの楽しいところは、
一つの皿から、二人で取り分けて食べる、
カジュアルさ。

これ、美味しいよ。
どれ?ホントだ!こっちも食べてみて!
ルッコラって、ゴマみたいな香ばしさがあるね?
あぁ、幸せ。
カラフェの白ワインも、
順調に、二人の胃袋を満たして、心もいっぱい。
二人で分け合って食べたお皿が、
テーブルから下げられて、さて、これからがいよいよの真骨頂。
デザートタイムである。
再び、メニューを取り寄せて、
幾つも並ぶ、スイートな名前たち。
●ティラミス
●洋梨のタルト
●リコッタチーズケーキ
●ダークチェリーのパイ
あぁ、決まらない。決められないよ。
結局、選んだのは、
甘い恋が、下の上で溶けるようなジェラートの盛り合わせ。

じゃ、あとはエスプレッソね。
君も、エスプレッソ、飲む?
デザートと一緒に飲む、濃厚なコーヒーは、
まさに、ディナーのクライマックス!
最初の前菜から、サラダ、パスタ、ピッツァ、
そして、ジェラートの、全ての味と、
今ここで、お別れをし、
このコーヒーで、舌をリセットする。
この後は、脳のどこかにインプットされた、
味の記憶を、微かに思い出しながら、
余韻を楽しむだけ。
え?コーヒー飲めないの?苦いから?
あ、そうなんだ?まぁ、それは仕方ないよね・・・
これが、
何かを予感させるような、その日の食事の結末・・・
***********************
楽しく美味しい食事の、
最後にして最高の山場であるコーヒー。
これを分かち合うことができなかった、Aとは、
長続きすることなく、
終わった。
恋は甘い、でもコーヒーは苦い。
でもやっぱり、苦いコーヒーが好き。
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