木曜日, 9月 21, 2006

失うものを惜しむ心

人気絶頂の芸能人が、引退を宣言したりすると、
とたんにみんながソワソワして、フアンになったりする。
今まで見向きもされなかった事象や事物が、
消えて無くなる事が判明すると、
その名残を惜しむ人が殺到したりする。

失うものを惜しむ心、それは、好奇心なのか?
それとも、優しい惜別の思いなのか?

吉祥寺と言えば、井の頭公園か、
ここ、(またはその両方)を、思い出すと言う人も
少なく無いはず。

















いせや総本店が、建物の老朽化により、
店を畳む事になった。
(とは言え、跡地に高層ビルを建てて、
そこで商売は再開する予定だし、
公園口の店は、とりあえず健在だ)

新聞や、ブログのネタになって、
たくさん出回っているから、
あえて多くを書く必要は無いだろうけど、
通勤路でもあるので、ちょっと、写真を撮ってみた。

仕事柄よく利用する郵便局が、
路地を挟んで向かいにあるので、
昼間、しばしば油で黒光りするカウンターから、
もうもうと焼き鳥を焼く煙をあげている横を、
通り抜けるのだが、
昼の日の高い時間から、コップ酒に焼き鳥で、
いい頃合いになっているお父さんなんかが、
ゴロゴロしている。

夜も、平日ですら、
カウンターをはみ出した会社帰りのお兄ちゃんたちが、
歩道に広がりながら、串を横に引いていたりする。

あと何日で閉店してしまうのか、知らないが、
もうすぐ失われる、庶民のオアシスに別れを告げようと、
今宵は、数メートルの行列に並びながら、
煙の洗礼を受けるのを待つ人たちがいた。

神戸にあった、コスモポリタン製菓が廃業したことを、
先日、知った。
チョコレートやキャンディーが、
きれいな硝子のショーケースに、宝石のように並んだその店は、
喫茶店でも、レストランでもない、
独特なスタイルのティールームを兼ね備えており、
三宮での買い物の途中に、
ちょっと一息つくのには、うってつけの店だった。

ロシアンティーや、ホッとチョコレートや、
名物のピロシキを目当てに、入った、懐かしいあの店も、
世の潮流について行く事ができず何十年かの歴史に
幕を下ろしたのであった。

友人が、引っ越しをした。
始めての一人暮らしだそうだ。
ワクワクの一人暮らし。
と、同時に、彼はきっと何かを失って、
ちょっと、悲しくなったり寂しくなったりしながら、
一つ、大人になるんだろう。

失ったもの、失おうとしているものは、
いつも、とても美しいものだ。

1 件のコメント:

cavacavien さんのコメント...

伊勢屋、建てかえるんだ!
雅叙園みたいに、外観はモダン、中に入ったら今のままの伊勢屋!になったら
超カッコイイと思うけど^^